情報共有化のススメ、名刺編

虎の威を借る狐

お客様から頂いた名刺は、営業先リストとして活用できます。
獲得した名刺数は営業によって異なるでしょう。
自分がこれから攻めたい企業の名刺を、別の営業マンが持っていたりします。

「これこれこういった企業に訪問してきました」
と報告すると営業部長から、
「あ、そこの○○取締役、知ってるよ」
先に言ってくれよ、担当へのアポ取り大変だったんだから・・・

某クラウド型名刺管理サービスのコマーシャルではないのですが、現実の話です。
私も営業時代に何度も経験しました。

日ごろから営業部門内での情報共有が出来ている会社なら問題ありませんが、多くの企業では情報共有が出来ていないのが現状です。

顧客情報に関しての情報共有には、一括して名刺の管理を行うのもひとつの案です。
名刺情報は営業先リストとして活用するのはもちろん、新製品情報や展示会出展の案内・メルマガ・DMなど販促活動としても活用できますので、マーケティングを担当する人が管理するのが良いでしょう。

その際の名刺の回収、これがまた難しいのです。
営業は名刺を出したがらないのです。

「今使っているから手元からなくなると困る」
「名刺管理は自分でやっているから結構です」
「自分の財産を他人に見せたくない」
「恥ずかしい名刺もあるので見せたくない(飲み屋か?)」
「選別するのが面倒くさい」
「忙しい」

いろんな言い訳が出てきそうです。

営業マンの中には嫌がる人もいますので、この取り組みは経営者の強力なトップダウンが必要です。
名刺は営業個人の持ち物ではなく、会社の財産ですので。

一担当者がやるといっても人は動きません。
名刺の回収時には、経営者の指示でやる事を明言しましょう。
”虎の威を借る狐”方式です。

名刺の一括管理は、情報の共有化とマーケティング活用が主な目的ですが、経営者としては別の悩みの種も解決してくれることになります。
営業マンが辞めてしまった時の顧客情報の流出防止と引き継ぎです。
トップセールスマンが社長と仲違いして独立し、得意先をごっそり持っていった、というのはよくある話です。
辞めた営業マンの顧客情報が会社に残っていない、などという事態になると、引き継ぎは出来なくなります。

名刺の一括管理は、情報共有とマーケティング、そして顧客情報流出防止が計れて一挙両得ならぬ一挙三得です。

マーケティング・セミナー開催

マーケティング内製化プロデューサー
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豊田マーケティング事務所
豊田栄康(トヨダヨシヤス)
http://www.toyoda.marketing
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焼き畑型営業の行きつく先は

焼き畑型営業

前に、狩猟型営業と農耕型営業の話を書きましたが、第3の営業スタイル・焼き畑型営業をやる会社にいたことがあります。
営業は常に新規開拓しかしません。
既存顧客や休眠顧客は基本放置。
サポート費用を頂戴しているお客さんだけ、問い合わせに対応するのですが、サポートメニューに参加していないお客さんには対応しないのです。
それが会社の営業方針。

転職の多い私が営業として採用されてまずやってきたのは、既存顧客や休眠顧客を訪ねてヒアリングすることでした。
自分の会社の商品サービスの良いところ悪いところを聞いて回り、キーワードを拾うためです。
新しい会社での新規開拓では、その会社の商材にあったキャッチコピーを作らないと、飛び込みにしてもテレアポにしてもうまくいかないからです。
新参者にはキャッチコピーが分かりませんので、既に使ってくれたお客さんに”ご機嫌伺い”に訪ねて巡るのです。

さて、焼き畑型営業の会社でお客さん巡りをしていて気づいたのは、非常に評判が悪いことです。
社長の評判や商品の使い勝手、サポートスタッフの対応など、営業マンとして恥ずかしくなるくらいの悪評を、あちらこちらで聞かされました。
お客さんとの不和、そしてリピートされない商材。
これでは常に新規開拓しなければ会社の経営はやっていけません。

こういった会社では、営業の売り上げはある程度のところで頭打ちになります。
そして営業マンは自主的に去っていくか、クビになります。
そしてまた、新に営業マンを採用する訳ですが、新規開拓をする市場が既に前の営業マンによって荒らされているので、市場開拓が非常に難しいものになっています。
この営業マンもまた去っていくことになるのでしょう。
営業の離職率の高い会社は、こんなことをやっているのです。

こうした負のスパイラルが自分たちを苦しめていることに経営陣は気付いていません。
焼き畑型営業の行きつく先は、会社は無くなってしまうことになるのですから。

”営業力強化”以前に経営者は気付かなければなりません。
自社の評判と会社の状況を。
気が付けば、改善の手はいくらでもあるのですから。

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狩猟型と農耕型と釣り師型

狩猟型と農耕型と釣り師型

自宅のPCサーバーのデータを整理していたら、昔のスピーチ原稿が出てきました。

10年ほど前、営業マンだった頃。
毎週月曜の朝礼では3分間スピーチがありました。
ある私の当番の時、自分の営業スタイルについて話をしました。
狩猟型営業と農耕型営業があり、猪突猛進タイプの営業の○○さんは典型的な狩猟型ですが、自分は農耕型である、と。
当時の私は既存顧客を受け持っていて、客先で勉強会を開催し自社商品の啓蒙活動に努め、自社のファンに育てあげる形で、他の営業よりも売り上げを伸ばしていきました。

スピーチ原稿を眺めていて、ふと思いました。
マーケティングとは何型なのだろう?
餌を撒き、幾重にも仕掛けをし、掛かるのを待って収穫をする・・・
釣り師型?

それともうひとつの営業の型があります。
一度販売したら次のエリアへ。
常に新規開拓、次から次へ。
今さえ売れれば良いという営業スタイル。
焼き畑型?

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思いついたもの勝ちの市場の攻防戦

手段を変えれば市場へ参入できますネットのニュースを見ていて、やられた!と感じました。
海外の商品”暗闇で光るスプレー”とやらが日本にやってくるというもの。
蓄光なのか反射ビーズなのか詳細は分かりませんが、夜間に物体を光らせるグッズで、夜間のサイクリングやジョギングの安全対策になります。
パーティグッズなのかもしれません。

実は、私もそうした商品を開発してました!
私の開発品はスプレー式ではありませんが、用途とターゲットは同じです。

ゴールは同じでも辿り着く方法・手段は違います。
同じ目的・ターゲットに対し、手段を変えるだけで別の商品として市場に参入できます。
逆に自分たちの守ってきた市場に、別の手段で参入してくる事もある訳です。
思いついたもの勝ちの市場の攻防戦。
中小・小規模企業であっても、大手寡占・業界標準の市場に食い込めるチャンスでもあります。

私の商品開発、完成まで先が長いです。

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ダム広報、国交省のマーケティング

土木学会関東支部談話会ダム広報

土木学会の談話会、ダム広報に参加してきました。
ダムカードの火付け役、国交省の三橋さゆり氏の講話を、大変楽しく聞かせていただきました。
ダムカードというカード型パンフレットによって、ダムファンを焚き付け、悪役だったダムに対するイメージ改革と、インフラツーリズムといったダムのある地域の観光地化に成功し、マーケティング的に成功した例であります。
私も土木の世界でマーケティングをしてきた人間ですので、今日の講話は大変勉強になりました。

ダムカード_宮ケ瀬ダム

さて、お話の中で興味を引いたのは、職員の意識が変わった、というところです。
ダムカードは、ダムに訪れた人に手渡しで配布する仕組みになっています。
そのため、ダムファンはダム管理事務所へ行って管理職員さんと話をしなければなりません。
私もダムカードをもらいに行った時、フレンドリーな職員さんに面喰いました。
もっと怖いイメージをしていたものですから。

この一般の人との接点が、職員さんの意識を高めた効果があったのです。
普段は一般の方と接触のない管理職員さんが、”お客さん”を相手にしなければなりませんので。

このダムカード配布による思わぬ効果、会社組織でも見ることができます。

建設現場の見学会というものがあります。
関係者向け・一般向けなどありますが、どちらにしても工事現場の職員さんにとっては緊張するイベントです。
自分たちの働きぶりを見学に来る訳ですから。

また、製造工場の見学会をやるところもあります。
お得意さんに自社の取り組みを見ていただき、安心と信頼を示すイベントです。
この日の作業員さんは、いつにも増して緊張して仕事に取り組みます。

こうした自分たちの仕事ぶりを他人に晒すイベントは、社員への意識付けにもなります。
刺激のない職場はマンネリ化し、生産性が落ちてきます。
社員の意識改善のためにも、時々こうしたイベントを行うもの良いのではないでしょうか?

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