営業マン時代にいくつかの営業手法・営業ツールを生み出してきました。
同僚営業や上長にもそのノウハウや私の顧客から見聞きした情報を伝え共有しようとしました。
新人さんは理解して協調してくれましたが、旧来の営業マンとは上手くいきませんでした。
営業は個の生き物で、同等またはそれ以下と相容れない、敵対心・競争心・ライバル心のような感情があるように思えました。
営業マン時代に出来なかった社内の情報共有化ですが、転職してマーケティング担当者にクラスチェンジすると、その仕組み作りをやれる立場になりました。
これは自分にとって、やりたかった事を試せるチャンスであり、経験を積めるチャンスでした。
さて、”社内の情報共有化”と簡単に言っていますが、簡単ではありません。
「情報を全社員宛にメールで発信し合いましょう」
「情報をグループウェアに挙げてください」
「情報を掲示板に…」
「なんでもいいから情報を出して…」
そんな号令をかけても、動くのは一部の人だけ。
取り組みの多くは時間の経過とともに消滅してしまいました。
社内には様々な派閥・利権争い、唯我独尊、そして無気力者が存在するからです。
営業は、自分の売り上げ・自分の顧客が優先、他の営業が情報秘匿するので自分が公開しては損、という感情があります。
また、内勤スタッフや工場勤務の人は、営業と仲が悪いため、わざわざ営業のために情報提供などと思っていません。
情報共有の取り組みは、最初の一歩から躓いている状況です。
これは多くの会社で見られる光景です。
ではどうすればよいのか?
ここで私のやってきたやり方であり、私のコンサルティングでも指導している手法を記します。
マーケティング担当者は社内記者
マーケティング担当者が中心となって取り組んでいきます。
マーケティング担当者は、進行中の案件や過去の実績など気になった案件について営業からヒアリングします。
社内新聞社の記者になったつもりで。
ですので、常に営業の動向に気を配っていなければなりません。
他にも、工場でやっている品質向上・安全への取り組み、クレーム報告書の統計など、営業以外の部署からの聞き取りも良いです。
取りまとめてレポート形式にし、社員が見られるよう公開します。
これらのレポートは会社の生の実態なので、人材募集の会社案内にも使えます。
社内新聞社として情報を公開し続けると、社内からも理解が得られ情報収集に協力的になってきます。
情報が回り始めれば、情報共有化の取り組みは半分成功です。
徐々に各自が自発的に情報を発信するようになります。
実はこの取り組みは、マーケティング担当者自身のためでもあるのです。
マーケティングでは様々なものを制作します。
Webのコンテンツ、広告、提案書、展示会の見せ物などの情報発信に。
セールスコピーや概要説明等のテキスト、イメージ写真や図説イラスト、解説動画などの元ネタ。
そのネタをどうするのか、担当者は頭を悩ませているのではないでしょうか?
日頃から情報を集めていると、コンテンツのネタに困らなくなります。
マーケティング担当者の行う情報共有の取り組みは、
表向きは、社内の情報共有化、
真の目的は、コンテンツのネタ集め、
なのです。
マーケティング内製化プロデューサー
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豊田マーケティング事務所
豊田栄康(トヨダヨシヤス)
http://www.toyoda.marketing
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