隣の営業マン、どんなニーズに対して、何を提案して、どうやって受注して、どうニーズに応えたか、分かりますか?
私の営業マン時代は、隣の営業マンの実績は営業会議で報告される売上金額、つまり数字でしか知ることが出来ませんでした。
どんな仕事を取ってきたのか、どうやって解決したのか、気になります。
案件に同行サポートした技術スタッフにこっそり聞いて、なんとなく理解した程度です。
個人の持つノウハウはブラックボックスです。
この実績が、売上の数字でしか記録が残っていないのが、私が見てきた中小企業の大多数です。
私の営業マン時代は、自分の実績案件と失注案件はリストにして記録していました。
リストと同時に、対になる情報も紐付けして、自分のPCや会社のサーバーに記録していました。
対になる情報とは、システム画面やフロー図、写真、ヒアリングノートに顧客からいただいたデータなどです。
この実績・失注案件リストを眺めていると、パターンが見えてきます。
パターンを汎用化して、図解イラストと説明文を加える。
これを集めたものが私の得意技、活用事例集です。
営業マン時代は常に持ち歩き、顧客に配ったり、同僚・後輩営業マンにも持たせました。
活用事例集はたいへん有用な仕組みなのですが、では社内で作りましょう、と営業たちに号令をかけた時、どんな問題があるでしょう?
私が営業で、私の実績なら、私が事例を作れます。
しかし他の営業が同じように出来るかといえば、NOです。
他の営業には自分の実績を記録する習慣がない、頭の中にしかないという状況。
酷いものは、技術スタッフ任せで営業マンは受注内容を全く理解していないケース。
そもそも、Excelの操作やメーラーの設定も出来ない営業がいるので、自分で事例を作れっていうのが無理な話。
私がお勧めしているのは、社内で活用事例集制作担当者を決めること。
担当者には、常に社内にアンテナを張り巡らせて案件の発生を察知する習慣、該当者へのヒアリング、目に見える証拠集め(写真や図面)を行うよう指導しています。
1つの案件をA4サイズ1枚にまとめたものを、事例カルテと呼びます。
事例カルテが蓄積されたものを、事例アーカイブと呼びます。
これが活用事例集の基となり、そしてこれは会社の財産です。
是非とも営業部門内で共有すべき知識です。
工程の積み重ねで仕組みができ、情報の蓄積がノウハウを生む。
そして情報の共有化が営業並びに技術スタッフの知識向上へとつながります。
そんな仕組みを導入してみませんか?
マーケティング内製化プロデューサー
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豊田マーケティング事務所
豊田栄康(トヨダヨシヤス)
http://www.toyoda.marketing
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