営業が顧客に提案していて、顧客が退屈そうな顔をする場合があります。
提案内容が顧客の置かれている環境や条件とちょっとでも違うと刺さらないからです。
「この顧客にこの提案がマッチしているはず」と営業が思い込んでいても、顧客にとっての前提条件が適合していなければ、顧客は聞く耳を持ってくれません。
この前提条件を見つけ出すのは難しいものです。
そのためのヒアリングなわけですが、初めて相対する人物(営業)には警戒心を持ち情報をあまり明かさないのが普通です。
「すべて吐き出してください、余さず教えてください、でないとアドバイスできません」
などと言うコンサルタントがいまずが、顧客の警戒バリアをさらに大きくさせるだけです。
対策としては、事前に場面の異なる複数の提案を用意しておくのが良いでしょう。
場面の異なる複数の提案は、顧客の置かれている環境を探るたたき台になるはずです。
さて、マーケティング担当者は情報発信が仕事です。
事例紹介という手段を使い、潜在する顧客とのファーストコンタクトを狙います。
事例紹介を公開するにあたり、『この業界はこれ!』『こっちの業界はこれ!』とひとつずつしか挙げられないのは、先に述べた営業の「この顧客にこの提案がマッチしているはず」と同じことになってしまいます。
顧客の置かれている環境はそれぞれ異なります。
その環境が違えば、せっかくの事例紹介も見向きもされません。
例えば医療業界。病院にもいろいろあります。
規模(大学病院~診療所)、科(内科・外科・歯科)、ターゲット層(小児科なら子供を持つ親御さん・駅前の歯科ならサラリーマン)などなど。
もし医療業界を狙うのであれば、病院における考えられる場面を想定し、それぞれの提案書や事例を用意すべきです。
多くのネタを用意できれば、顧客からの信頼が得られ、もしかしたら自分の環境も対応してくれるのでは?という期待感が増すというものです。
環境の違う場面の提案・事例をたくさん用意すること。
顧客とのマッチングを図るたたき台です。
これは結構労力のいる仕事です。
しかしその後の営業活動を考えれば、やっておくべきでしょう。
マーケティング内製化プロデューサー
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豊田マーケティング事務所
豊田栄康(トヨダヨシヤス)
http://www.toyoda.marketing
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