商品企画のアイデアは、すぐ目の前にある

「資生堂 TSUBAKI」
「ブランド再生へ 10年目の挑戦」
今日の新聞を読んでいて、全く別の事を考えていました。

ある女性社員の制服の襟の裏側が濡れているのが気になって聞いてみました。
「髪に”つばき油”を使っていて、制服に付いてしまう」
ということでした。

最近の整髪剤なら衣服に付着することは少ないと思ったのですが、”肌に合わない”とか”昔ながらのコレがいい”というこだわりがあって、天然オイルが好まれているようです。

私も顔に塗るために何種類かのオイルを使用しています。
ホホバオイルや馬油、ハワイ土産のKUKUI-OIL、マラソンの時にはヴァセリン。
他に中年男性用エイジングケアオイルなど、場面や気分で使い分けています。
どのオイルでも上記の課題、”衣服に付着する”が悩みの種です。
最近の中年男性用エイジングケアオイルは結構さらっとして良いのですが、やっぱり天然のホホバオイルとか使いたくなるのです。

既存のオイルという素材はそのままで、他物への付着を防ぐアイテムを開発したら需要があるのではないでしょうか?

ちょっとした声を拾うだけで商品企画のネタになります。
あとは自社の技術で確立できるかどうかです。
声を集めて開発部門と検討しあうのも、マーケティング担当者の仕事です。

※7月に事務所を移転します。
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豊田マーケティング事務所
豊田栄康(トヨダヨシヤス)
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イノベーションは会社から生まれにくい

「イノベーションを起こす人材を育成しないと生き残れない」
一昨日の新聞こんな冒頭とともに、富士ゼロックスの人材育成についての記事がありました。
人材を選抜しての外部機関での研修やアイデア発表会などの取り組みが紹介されていました。

イノベーションを起こす潜在力の高い人は、”優秀な人”という訳ではなく、”対人感受性の低い人”の方はよいとされているそうです。
他人に左右されず自分の考えを貫く人の方が、イノベーションが起きやすいということです。

このような人、一般的に会社においてその言動は理解されず、肩身の狭い思いをしています。
例えイノベーションになるかもしれない起案があっても気付かれず、その発言は段々と小さくなってしまいます。

起業かからイノベーションが起こりやすいのは、周囲の”理解されない”という妨げが少ないからなのでしょう。

ドラッカーがその著『マネジメント』で企業の成功の基本であると述べたマーケティングとイノベーション。
経営者の理解と会社の後押しがなければ、どちらも社内からは生じにくいのではないでしょうか?

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IoT、目的と手段のはき違え

今朝の新聞を読んでいて、ちょっと気になったこと。
IoT技術者の育成に悩んでいる企業が多いという記事です。
IoTという言葉だけ先行してしまい、IoTの知識を身に着けなければ、と焦る企業が多いということなのでしょうか?

ちょっと違うような気がします。
そもそもIoTとは、”センサーの技術”、”インターネット上にデータを上げる技術”、”データを解析する技術”を組み合わせた総称を言っています。

「将来、冷蔵庫がインターネットにつながって」

などという謳い文句が、IoTという言葉と一緒に伝わってしまっているため、おかしな誤解を招いてしまっているのではないでしょうか?

IoTとは既に使わてれいる技術です。
ここ10年、実際に私も仕事で携わってきた例を挙げると、

・タイムレコーダー
・POSレジ
・宅配便の配達記録
・店頭値札に動画配信
・ダムや橋梁の動態観測 など

従来のスタンドアローン型やバッチ式と異なり、リアルタイムでデータを収集・解析できるために有効化されてきた技術であり、差別化されてきた商品群です。

「IoTをやろう」
ではなく、
「必要だから様々な技術を組み合わせたらIoTでした」
というのが実態です。

目的と手段をはき違えては、技術者の教育に悩むのは当然です。
この悩んでいる企業は、一体どこへ向かうのでしょうか?

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何故そのお店に行くのですか?

「何故スターバックスへ行くのか?」

マーケティングでよく引き合いに出される話です。
スターバックスの提供する価値は美味しいコーヒーではなく、「The Third Place(第3の場所)」であると。

家庭でも職場でもない、あなたのプライベートな第3の場所。
”居心地の良い空間作り”に価値が見出されている訳です。

同程度の商品サービス、同程度の価格であれば、居心地の良い方を選択したくなります。

店舗での販売ビジネス、歯医者・美容院・リラクゼーション等のサービスのしかりです。
店舗のデザイン・装飾。
店員さんの対応。
お客さんは見ています。

ちなみに私自身もドトールではなく、やはりスターバックス。
そして甘い甘いチョコレート系ドリンクをグランデサイズで”お持ち帰りするのがお気に入り”です。

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また好景気が戻ってくると信じている経営者達

私は2度の不景気の波を経験しました。
バブル崩壊、そしてリーマンショック。
バブル崩壊後、勤めていた会社も業績が悪化し給料カットやリストラがありました。

お客さん側も不況であったため、仕入れ需要がありませんでした。
営業マンだった当時の私は、今の商品ラインナップではダメだと感じ、自分で商品開発と、既存商品の他分野活用を模索していました。
しかし不況と好景気の繰り返しを乗り越えてきた経営者達は、また好景気が戻ってくると信じていたため次の手を打とうとせずに、打った手段は得意先のトップに対して買ってくれるよう”お願い”活動だけでした。
当然会社はじり貧になってしまいました。

リーマンショック後は、必要なものにしかお金をかけない世の中になりました。私は別の会社に転職していて、営業マンをしていました。
この会社の商品は、抱き合わせ的な手法で販売されていたため、そのような余剰商品はこの時期、全く売れませんでした。
営業部長は営業方針を変えようとせず、ただ同じ活動を繰り返すばかり。
リーマンショック後1年で会社はなくなってしまいました。

時代は変化しています。
過去の経験は次の戦略に役立つものですが、時代の変化に気付き、合わせることができなければ、今の時代のビジネスで勝つことができません。
そのためには今の時代に合ったマーケティングスタイルが必要になります。

変化に気付かないでいる経営者、そして社員の方々は、自分が”茹で蛙”になっているのも気付かないのでしょう。

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