会社は井戸の中というひとつの社会

カンフル剤

会社員で営業をしていた頃、月に一度の営業・工場会議がありました。
営業からは受注見込みの状況報告を、工場側からは生産の進捗状況の報告を、そしてお互いに貶し合う、なんともつまらない会議でした。

ある時私は、こっそりこんな企画を用意して会議に臨みました。

『営業が聞いてきた”当社の評価・他社との比較・うわさ話”』

顧客や仕入れ先、下請けさん等から耳にした生の情報を、この営業・工場会議で報告したのです。
褒められた点もありましたが、大半は顧客の身勝手な(実現不可能な)要望とクレームです。

高機能の付加してほしい
品質の絶対安定化してほしい
短納期&低価格の実現してほしい・・・

私の報告に工場側は大いに憤慨し、何故か味方である営業側からも攻撃を受けました。
ですが、やって良かったと思っています。

工場側には、営業が普段、外で何を言われているのかを知って欲しかった。
外部からどう見られているか、意識して欲しかった。
それに、報告で挙げたうわさ話の中には将来の新製品のヒントが含まれていたのです。
良い刺激になったのではないでしょうか?
工場長は理性的な方だったので、私の意図は分かってくれていたようでした。

会社というのはひとつの社会、ひとつのコロニーで、その中では独自の文化が形成され、単一の情報しか回っていなかったりします。
会社が”井の中の蛙”にならないように、時々外側からカンフル剤を与えてやる必要があります。
マーケティング担当者は、その役割に最適な立ち位置にあります。
そのためにも、マーケティング担当者の情報収集活動は大事な仕事になるのです。

マーケティング・セミナー開催

マーケティング内製化プロデューサー
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豊田マーケティング事務所
豊田栄康(トヨダヨシヤス)
http://www.toyoda.marketing
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マーケティング担当者はデスクトップセールスマン

デスクトップセールスマン

会社でマーケティングの担当を任命されて、何したらいいのか?と迷ったならば、自分を営業マンと考えると良いです。

自社の営業マンを販売代理店と想定して営業活動してみましょう。
販売代理店が販売してくれるためには何をしたら良いのでしょう?
営業が大好きな接待だけでは売り上げは上がりません。

販売代理店が顧客に商品サービスを案内するためのパンフレットや提案書が必要です。
販売代理店が様々なケースに出会えるように事例集などあったらいいですね。
販売代理店が顧客に説明するための教育として、勉強会をやるのも良いでしょう。
カスタマイズ商品の場合、価格がまちまちです。
目安になる見積もりサンプルも複数用意しましょう。
販売代理店が営業をかけるためにリストも必要です。
展示会に出展して集客するのも手です。

上に挙げたものを制作するには、元となる情報も収集しなければなりません。
販売代理店(自社の営業マン)にヒアリングしましょう。
仕入れ先・製造元(自社の製造サービス部門)にもヒアリングしましょう。

マーケティング担当者は、営業マンのような客先訪問が主な仕事ではありませんが、営業マンと同様に営業活動をするのが仕事です。
机上探偵ならぬ、机上営業(デスクトップセールスマン)といったところでしょうか。

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マーケティング担当者は会社社長

お客が欲しい

マーケティング担当者ってナニする人なのでしょうか?

マーケティング担当者は自分は会社社長である、と考えてみたらいかがでしょう。
あなたの会社には営業社員が数人います。
彼ら営業を働かせるために何をしなければならないのか?
を考え準備するのが社長の仕事。

営業で採用したのだから勝手に売ってくるだろう、と放置する会社では営業は育ちません。
成長するまで時間がかかる、もしくは育つ前に枯れてしまいます。
社員が働ける環境を整えるのが社長の仕事だと思います。
こういう社長には社員もついていきます。
社員も自立し育っていきます。

さて、営業が営業できる環境とはなにか?
「お客が欲しい」
というニーズであれば、訪問リストが必要です。
「商品案内が欲しい」
というニーズであれば、商品サービスを説明するパンフレットや提案書が必要です。
「売れる商品が欲しい」
というニーズであれば、商品企画が必要です。

営業に動いてもらう活動が、マーケティング担当者の仕事のひとつです。
営業の身になって考えてみると、マーケティング担当者のやるべき活動が見えてきます。

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マーケティング担当者に必要なスキル

マーケティング担当者に必要なスキル

マーケティングを始めるにあたって、人材が必要です。
人材を採用するにしても社内からクラスチェンジさせるにしても、どのような人材がマーケティング担当者に向いているのでしょうか?

実はマーケティング担当者はマルチタスクな仕事をしています。
仕事が多岐にわたります。
そのためマーケティング担当者にはマルチスキルが求められるのです。

自分の経験から、どのようなスキルが必要か挙げてみたいと思います。

《知識》
・マーケティング全般の知識(Webを含む)
→「マーケティング」というとWebマーケティングと思われがちですが、マーケティングの基本が分かっていないと、ただの”道具を使う”になってしまいます。マーケティングの基本知識があって初めて戦略を立てるとこが出来ます。
・IT・Webの知識
→昨今のマーケティングにはITの知識なくしては成り立ちません。広告宣伝の世界も物理的手法からデジタル手法への変更を余儀なくされています。マーケティングを自社運営するには、IT・Webの知識が必須になります。

《情報》
・データ解析能力(統計と考察)
→Webのアクセス解析や行政発行の白書等、行動する根拠となるデータを読み解く必要があります。
・情報収集能力
→データ解析以前に、元となる情報は必要です。情報の収集は、マーケティングを組み立てる上でまず最初に行動すべき活動です。

《企画》
・企画立案能力(アイデア・発案)
→何を・どこへ・どうやって、を形にして顧客と営業を動かすための戦略が必要です。
・プレゼン能力(表現力・説得力)
→良い商品サービスであっても、伝えることが出来なければビジネスになりません。言葉・ビジュアル・感動、伝えるスキルが必要です。

《均衡》
・社内調整能力(コミュニケーションと政治)
→営業と製造サービス部門、そして社長。マーケティングには社内の協力が必要不可欠です。
・協力会社との均衡能力(コミュニケーションと政治と管理)
→広告代理店等外注先との意思疎通、そして進捗管理が必要です。これが出来ていないと会社にダメージを与えかねません。

《感覚》
・好奇心・流行への順応性(情報に敏感)
→市場の流れは大変速いものです。流れに対する感覚が必要です。
・営業センス
→どうすれば売れるのか、という感覚が必要です。これがないとお遊びになってしまいます。

マーケティング担当者は、マルチスキルが求められるのですが、全てのスキルがなくてはいけない訳ではありません。
まずは持ち前のスキルを活かしつつマーケティング活動を進めていき、他のスキルを伸ばしていくことです。
マーケティングは自社運営することで、スキルが身についてきます。
それが”経験”というマーケティングのノウハウでもあります。

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マーケティング内製化プロデューサー
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マーケティング担当者に向いている部門

マーケティング担当者に向いている部門

「マーケティングやりたいけれど人材がいない」
「新たに人を雇う余裕がない」
「高いスキルのある人がウチなんかに来てくれない」

中小企業の経営者の悩み、”人材”です。

実は会社の中にも”人材”はいます。
ちょっと社内を見渡して見てみましょう。

<管理部門>

・業務管理
→自社の業務全体の流れを把握し管理する能力を活かして、多岐にわたるマーケティングの活動全般を管理できる
・システム管理(WEB担当)
→制作スキルと表現力を活かして、顧客に伝える能力がある

<製造部門>

・商品開発
→自社の商品サービスをよく理解しているので、応用事例を紹介できる

<営業部門>

・営業
→営業脳・売る精神を持っているので、どうすれば顧客に伝わるのか工夫できる
・営業アシスタント
→営業と顧客の動きを見ているので、営業支援として何が必要か分かっている

<経営企画部門>

・社長秘書
→社長方針と経営戦略を間近に見ているので、次に何をすれば良いか分かっている
・社長
→経営全体を理解しているので、いつ・どこへ・なにを・どうする・を即座に決められる

マーケティングの担当者に向ている人材は各部署に結構いるものです。
彼らの長所をマーケティングに活かすことで、大きな戦力アップになるはずです。
マーケティング活動は各部署の連携が必要です。
自社社員は社内に長けた人ばかりなので、外部の企業に丸投げするよりは社内のマーケティング活動が円滑に進むはずです。

今一度社内を見渡して、適材適所を検討してみては如何でしょうか?

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