人脈に頼らない営業展開を

焼き畑営業、布団販売のケース

私がまだ20代前半の頃、ある機能性布団のメーカーに採用が決まりました。
入社前の3日間の研修を受けて知ったのは、販売方法が人脈営業だったのです。
まず自分の身内・知人に販売しなさい、と。
研修後、入社を辞退しました。
私がやりたかった営業の形とはまるで違っていたからです。

人脈営業は焼き畑営業です。
持ってる人脈がなくなれば、売り上げがなくなる。
そうなったら、自分のその会社での価値がゼロになります。
そして会社側は新たな人脈を持っている営業を採用するというサイクル。

時々見かけますね、社長の肝入りで入ってすぐ役職に就いた元・大手商社の営業部長。
その人脈を頼りにされた人材です。
私の上司にもいました。
上司に連れられて、古巣である大手町の大手商事の社員食堂で社食をご馳走になった時に思いました。
大手企業のランチはこんなに安いんだ!って。
それはともかく。

人脈営業は商品価値ではなく、縁故で売っているので、営業ノウハウ・マーケティングノウハウは残念ながら蓄積されません。
瞬間的には売り上げに貢献しますが、最後は破綻します。

だからこそ、人脈に頼らない営業展開を構築する必要があります。
そしてマーケティングという考え方があるのです。
私は、”人脈に頼らない営業展開”のためにマーケティングの指導をしております。

【動かない営業を戦力化する仕組みづくり】セミナー
マーケティング・セミナー開催

マーケティング内製化プロデューサー
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豊田栄康(トヨダヨシヤス)
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隣の営業の実績は数字でしか見られない

事例カルテの見本

隣の営業マン、どんなニーズに対して、何を提案して、どうやって受注して、どうニーズに応えたか、分かりますか?

私の営業マン時代は、隣の営業マンの実績は営業会議で報告される売上金額、つまり数字でしか知ることが出来ませんでした。
どんな仕事を取ってきたのか、どうやって解決したのか、気になります。
案件に同行サポートした技術スタッフにこっそり聞いて、なんとなく理解した程度です。
個人の持つノウハウはブラックボックスです。
この実績が、売上の数字でしか記録が残っていないのが、私が見てきた中小企業の大多数です。

私の営業マン時代は、自分の実績案件と失注案件はリストにして記録していました。
リストと同時に、対になる情報も紐付けして、自分のPCや会社のサーバーに記録していました。
対になる情報とは、システム画面やフロー図、写真、ヒアリングノートに顧客からいただいたデータなどです。

この実績・失注案件リストを眺めていると、パターンが見えてきます。
パターンを汎用化して、図解イラストと説明文を加える。
これを集めたものが私の得意技、活用事例集です。
営業マン時代は常に持ち歩き、顧客に配ったり、同僚・後輩営業マンにも持たせました。

活用事例集はたいへん有用な仕組みなのですが、では社内で作りましょう、と営業たちに号令をかけた時、どんな問題があるでしょう?

私が営業で、私の実績なら、私が事例を作れます。
しかし他の営業が同じように出来るかといえば、NOです。
他の営業には自分の実績を記録する習慣がない、頭の中にしかないという状況。
酷いものは、技術スタッフ任せで営業マンは受注内容を全く理解していないケース。
そもそも、Excelの操作やメーラーの設定も出来ない営業がいるので、自分で事例を作れっていうのが無理な話。

私がお勧めしているのは、社内で活用事例集制作担当者を決めること。
担当者には、常に社内にアンテナを張り巡らせて案件の発生を察知する習慣、該当者へのヒアリング、目に見える証拠集め(写真や図面)を行うよう指導しています。

事例カルテのフォーマット

1つの案件をA4サイズ1枚にまとめたものを、事例カルテと呼びます。
事例カルテが蓄積されたものを、事例アーカイブと呼びます。
これが活用事例集の基となり、そしてこれは会社の財産です。
是非とも営業部門内で共有すべき知識です。

工程の積み重ねで仕組みができ、情報の蓄積がノウハウを生む。
そして情報の共有化が営業並びに技術スタッフの知識向上へとつながります。
そんな仕組みを導入してみませんか?

マーケティング無料相談
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営業は売りやすいものしか提案しない

提案しないのはチャンスロス

多くの商材があるのに、売り上げのラインナップが偏った営業がいます。
その営業は、好きな商材は力を入れて紹介する、売りやすいものだけしか提案しません。

事務機の会社で例を挙げると、
営業Aさんは、パソコン・複合機のような売りっきり商品は得意だけれど、消耗品は面倒くさがって提案しない。
営業Bさんは逆に、消耗品のような低価格商品がよく売ってくるけど、高額商品は提案しない。
社長から見ると、
「なんで提案しないんだ!自分ならあれもこれも提案する!」
そう思うはずです。

私は営業マン時代に受けた営業研修で、この状態をチャンスロスだと教わりました。
今でも気に入って”チャンスロス”という言葉を使っています。

営業は売りやすいものしか提案しない。
この状態を打開するには、2つの方法があります。

①ケーススタディで苦手商品をなくす
何故苦手なのかというと、販売経験が少ないからです。
ならば、どういう時に売れたのかを導入事例や活用事例で習得してもらう事です。
私が事例を推奨する理由の一つは、営業に過去の実績を追体験してもらい、営業個人の引き出しを増やし応用力を身に付けてもらいたいからです。
これは営業力強化です。

②ステルスプレゼンテーション
営業が苦手で提案しなくても、顧客の目に留まる仕組みをつくることです。
営業に顧客のところへ資料を持って行かせる、またはホームページに誘導して顧客に資料を見てもらうようにする。
この場合の資料は商品スペックではなく、体験性のある導入事例や活用事例が良いです。
私が事例を推奨するもう一つの理由は、事例はたたき台である、ということです。
課題解決型商材の場合、コレ!という固定商品ではなく、顧客の課題に合わせて提供します。
相談を受けた時点では、顧客側の頭には「コレが欲しい」と言えるほどの仕様が決まっていないはず。
それどころか、どうしていいやら分からないから相談しているはずです。
そこで”たたき台”。
たたき台は要件定義を詰めやすくするのに便利です。
そんなたたき台を、営業にも顧客にも売り込み意識をさせずに提案するのが、事例です。
ステルスマーケティングなんて言葉がありますが、この場合はステルスプレゼンテーションとでも呼びましょうか。

営業がその商材を苦手としていても、注文になってしまうと経験値が付きます。
営業は経験の積み重ね。
営業の教育には、会社のバックアップ、営業しやすい環境づくりが重要です。
そのためにも、事例を作り上げる人材、マーケティング担当者の確保が必要です。

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マーケティング担当者は社内の潤滑剤

情報の流れを作る(情報収集)

採用面接で自分の役割を潤滑剤と称する人がいます。
おそらく自分のフレンドリー体質で周囲を和ませるって意味で言っているでしょう。

マーケティング担当者も潤滑剤と言えます。
社内の情報ハブを役割としていますので。
情報を収集し、収集した情報を加工して、社内・社外に情報を発信する。
マーケティング活動をしていれば、自然と情報の流れを作る事になります。

この情報のやり取りと続けていると、各部門・各個人との情報のパイプが太くなってきます。

情報の流れを作る(情報発信)

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営業は顧客に情報提供したい、その2

何しに来たの?

「ネタがなくて訪問しづらい」
営業のホンネです。
用もなく(顧客にとって)訪問すれば、「何しに来たの?」と不審がられます。
私も営業マン時代、アポのない日は仲良くなったお得意さんのところで油を売ってました。
その会社の近所で火事があって私とお得意さんで通報したため、消防署から詰問を受けたという初体験もその時です。

営業が自分ひとりでネタ作りするのは大変です。
そもそも引き出しの少ない人は、どうしていいやら困ってしまいます。
まして中途採用で異業種から来た人は何も持っていないので、スタートエンジンがかかるまで相当な時間を要します。

だからこそ会社として、顧客に提供するネタ作りを組織的に行う必要があるのです。
会社で情報を用意しておけば、営業マン育成の促進になります。

顧客にとって有益なネタがあると、営業は喜んで訪問します。
顧客だって、有益な情報があるのであれば、それほど嫌な顔をせず面談に応じてくれることでしょう。

営業が動きたくなる環境づくりは経営者の仕事です。
そして実務はマーケティング担当者の仕事です。

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