マーケティングのイメージの落差

売りつける型営業

悩んだ時や考えが詰まってしまった時、私は問題解決のために本を読みます。
以前に参考になったドラッカーの本を改めて読んでいて・・・

彼のマーケティングの理念・理想、当初は共感していたのですが、今は相当高いところにあるように思えてきました。
崇高なところに。

ですが、私の支援の対象である中小零細企業にとっては、崇高な理念よりもまず売り上げにつなげることが大事。
崇高な理念のために人件費や設備費への投資はできません。
衣食足りて礼節を知る、というやつです。
まず衣食を満たさなければなりません。

体力のある大手企業や理想に燃えたベンチャー企業は初めからマーケティングにかける予算を組んでいる。
ところが、これまで営業主体で経営してきた企業にとってはマーケティング費が余計なもの・重荷に感じてしまいます。
売り上げ(=営業)に直結しなければ、即効性がなければ、人材・設備への投資価値はないと判断してしまいます。

そこで私は、中小零細企業こそマーケティング部門の育成に投資すべきだ、と言いたい。

中小零細企業ではマーケティング部門と営業とがタッグを組むことだと言いたい。

ドラッカー氏がその著書の中で、
「販売(セールス)とマーケティングは逆、補い合う部分さえない」
と言うものだから、一部の中小零細企業の経営者は勘違いして、
「マーケティングは営業とは別物、だからマーケティングなんてやってる場合じゃない!」
とマーケティングを毛嫌いしてしまう。
ここで言う販売(セールス)とは、『売りつける』型営業という意味だと思いますが。

しかし、営業活動を『売りつける』ではなく『買ってもらえる』に変えるのがマーケティング。
ですので営業を活かすためにマーケティングを活用する、営業とマーケティングが補い合うのが、中小零細企業の取るべき形なのではないでしょうか。

マーケティングを勉強したい人、マーケティングを導入したい経営者にとっては、マーケティングを理念・理想を目指す概念的なものと捉えています。
しかし中小零細企業にとっては、売り上げに即効果があるならやる、ないなら辞める、楽して売れるノウハウ的なもの、という判断で考えてしまいます。
立場によって『マーケティング』のイメージ・概念の落差に戸惑います。

『売りつける』型営業の会社では、なかなかマーケティングを理解してもらえず残念に思っています。

ふと、以前に営業部長が言った言葉が思い出されます。

「年度末だから、押し込め!」
「次の訪問で、決めてこい!」

顧客を何と思っているのやら・・・
『顧客に選んでいだたく』が理解できる訳がない。

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裏を取るのもマーケティング担当者の仕事

裏を取るのもマーケティング担当者の仕事

前回は『強み探しもマーケティング担当者の仕事』という話を書きました。

社長の言う「これがウチの強みだ!」、根拠が怪しいものが多いです。
経営者は無意識に自社を誇張する傾向があります。
個人の自己PRと同じで、自分(の会社)を良く見たいものです。
社長が思っている『強み』、社長自身が長年やってきた勘や感覚でなんとなくそう思っているもの。
半分は当たりです。
しかし第三者には分かりません。
ならば裏を取って確証を得れば公式に『強み』と言うことが出来ます。
『強み』はなにもNo.1でなくともOKで、数値で表せられれば良いのです。
『強み』に根拠があれば、社員も堂々とお客様に伝えることが出来ます。

この社長の言う『強み』の裏を取るのもマーケティング担当者の仕事です。
調査・統計スキルを発揮して自社の『強み』を作り上げていきましょう。
もちろん『自社の強み』の社内告知も忘れずに。

『自社の強み』、意外にも営業よりも間接スタッフから伝える方が効果が高いようです。
SEやアシスタント・現場スタッフの方が真実味があります。
営業は詭弁が多くって。

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もう使えない営業はいらない

使えない営業の人事異動

『元使えない営業だったけどITが得意なのでシステム管理部に異動になってもやっぱり使えない社員だった』

私はいくつもの会社で営業をしてきましたが、どこの会社でも使えない営業が存在しました。

営業部長の旧知にしてお気に入りで入社した営業マンがいました。
私を含めた他の営業マンはすべて新規開拓でしたが、営業部長の判断で既存の上得意先のほとんどをまかされました。
ところがこの営業マン、既存の顧客との関係が上手くいかず売り上げは減りクレームも多発。
商品説明が下手で、どうやら顧客から”使えない営業”と認定されて担当変更を訴えられました。
急遽クレームになった客先へは私が担当になって関係改善しましたが、上客のほとんどを握っていた営業マンだったため、社全体の売り上げは激減してしまいました。
半年後、会社はなくなってしまいました。

このような使えない営業マン、結構見てきました。
世の中いるものです。

仕入れ先にも存在しました。
発注したのに納期になっても納品されない。
しかも仕入れ先営業担当には連絡が取れない。
そんなことが何度もあり、私の顧客にも何度も迷惑をかけました。
会社同士の問題としてクレームをつけたのですが、先方の対処がどうにもはっきりせず、とりあえず先方の担当が変わることで解決しました。
御曹司か何かの問題児だったのでしょうか?不明です。

別の例で、使えない営業マンだったのですがITが得意なのでシステム管理部に回された営業マンもいました。
適材適所という会社の判断は間違っていない。
しかしながらシステム管理部でもやっぱり使えない社員でした。

使えない営業マンに振り回されて、会社に悪い影響のあるのは、経営者も社員も困ってしまいます。

実は、営業支援部隊がしっかりしていると、なんとかなったりします。
顧客はしっかりしている人とやり取りします。
しっかりしている営業アシスタントとか、きちんと仕上げてくれるデザイナーとか、要望を実現してくれるSEとか、営業に先行してプレゼンしてくれるマーケティング担当者とか。
社内外から「営業いらないじゃん」と言われる会社は、優秀な営業支援部隊のおかげで顧客の信頼を得ている会社です。

もし自社の営業不振でお悩みでしたら、マーケティング部門の強化をお勧めします。
豊田マーケティング事務所ではマーケティングの内製化でお手伝いさせていただきます。

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営業は顧客に情報提供したい

営業は四面楚歌

顧客から頼られる営業マンは、頻繁に顧客への情報を提供しています。
結果、売り上げにつながってきています。
情報の引き出しを多く持っている営業が成績の良い営業とも言えます。

多くの営業には、社内の味方が少ないです。
同僚営業とはライバル視され、工場とは仲たがいし、日頃からいいように使われている技術スタッフからはいい顔されず、社長や営業部長からは成績如何によってはミソクソに言われます。
そんな四面楚歌の中でも、顧客へ提供するための情報収集をしています。
営業は情報を欲しています。

マーケティング担当者の仕事のひとつは、営業が顧客へ提供するための情報を提供してあげることです。
マーケティング担当者の情報発信の手段は、なにも広告やSNSだけではありません。
営業という顧客に接している媒体も情報発信手段として使えるのです。
営業とタッグを組んで情報収集→制作・まとめ→情報発信の流れを作ることで、売り上げにつながる活動になります。

そして逆に、営業は個々に情報を持っています。
個々の営業からの情報を集めることで、別の営業への提供材料が作れます。
社内の情報収集・情報発信の流れを作る、これもマーケティング担当者の仕事です。

顧客に情報提供したい営業を上手く操って、顧客への情報発信をしてみましょう。

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マーケティング担当者による営業の動かし方

営業の中のヒエラルキー

マーケティングは、営業なくしては成り立ちません。
顧客と接触するのは営業であり、マーケティングだけでは売り上げにならないからです。
営業の存在は無視できません。
そのため営業との付き合い方は大事です。

マーケティング担当者が営業に動いてもらうように仕向けるには、営業マンを理解する必要があります。
彼らが何を考え、何を原動力にしているのか?
その点を理解できれば、営業を扇動じゃなくて営業に行動してもらえる方法が分かってきます。

営業にとっては、誰が一番大事なのか?
ちょっと営業の頭の中を覗いて、ターゲットを順位付けをしてみましょう。
こんな感じではないでしょうか?

自分の担当顧客 > 社長 > 営業部長 >>>> 他の営業の顧客=同僚営業=下請け=自社工場=間接部門・・・

営業は自分の売り上げ・自分の業績が一番大事です。
それは、自分の賞与に直結するからであり、仕事へのやりがい感があるからであり、人によっては上長への恐怖心からでもあります。
営業の売り上げに関わる人(担当顧客>社長>営業部長)が営業マン個人のターゲット。
彼らの興味は何か?
業績?情報?ノウハウ?技術理論?好奇心?ゴルフ?美味しいお店?
営業は彼らの関心を買うことに注力を注ぎます。
この理屈に沿って営業を支援してあげることで、営業は自ら進んで動きます。

営業を理解するには営業を経験するのが一番良いです。
営業に同行して顧客回りしてみるのも良い経験になります。
私が元・営業マンのマーケティング担当者にクラスチェンジを推薦するのも、営業の心情を理解しているからでもあります。
(どう売るかを考える営業脳を持っていることが一番の理由です。)

「せっかく資料を作ったのに営業は活用してくれない」
と嘆くのではなく、営業が注力する事は何か?に焦点を当てて資料を作ってあげれば、営業は喜んで動いてくれることでしょう。

もし「うちは使えない営業ばかりで・・・」と自社の現状にお悩みであるならば、上に挙げたことをやってみてはどうでしょうか?
営業をコントロールできるかもしれません。

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