BtoBとBtoCのマーケティングの違い、Part2

前回の続きとして、今回はBtoBとBtoCにおける購入の動機と判断基準に違いについて考えてみたいと思います。

BtoCにおける購入の動機と判断基準

BtoC(Business to Consumer):企業対個人取引
営業対象:個人ユーザー
アプローチ:営業→個人ユーザー(旦那→奥様)
購入動機:ステータス向上、ステータス維持、願望、面白刺激、生活必需品、お値打ち価格、トライ・挑戦、悩み、課題、フィーリング
購入までの期間:欲しいと思ったらすぐ買う(衝動買い)ケースがある

個人ユーザーは、どちらかというと”感情”で購入判断をしているようなところがあります。
そのため、営業手法ならびにマーケティング手法としては、
悩みに対する共感・成功への道を示す・面白刺激・持ち上げる・背中を押す
といった感情に訴えかける手法が有効です。

BtoBにおける購入の動機と判断基準

BtoB(Business to Business) :企業対企業取引
営業対象:企業(担当者)
アプローチ:営業→担当者→上長→総務部長/社長
購入動機:企業にとっての必要性、課題解決、コスト、性能、時期タイミング
購入までの期間:社内で検討されるため時間がかかる

一方で企業相手の場合、企業という共同体にとっての必要性を、組織の中で、合理的・論理的に判断されます。
あなたの会社が私の会社の商品サービスとビジネスマッチングしているかが問われます。
そのため、営業手法ならびにマーケティング手法としては、
事例紹介・課題解決・信頼の証(社の取り組み)
といったビジネスマッチングを証明する手法が有効です。

さてここで、BtoBでもBtoCでもないケースがあります。
経営者向けビジネスです。
とりあえずBtoP(President)と呼んでおきます。
※BtoPには、PersonとかPublicを指すこともありますが、ここでは経営者の意味でPresidentを用いておきます。

BtoPにおける購入の動機と判断基準

BtoP(President):企業対社長・経営者
営業対象:社長、ワンマン経営者、ひとり親方
アプローチ:営業→社長
購入動機:
→会社にとって:必要悪、必需品、課題解決、効率化
→社長個人にとって:勘、人間性、付き合い、期待、願望、欲望、トライ・挑戦、儲かる、フィーリング
購入までの期間:即決の場合あり

税理士や社会労務士といった、社長しか相手にしない士業などのビジネスや、
オフィスや倉庫・機械設備など、経営者管轄の物件や
ゴルフや高級飲食店・組合など、経営者同士の付き合いに関わるビジネス。

これら社長と直接話をしなければ営業にならない商材の購入動機には、会社組織としての立場と、社長個人の立場があります。
そして、たとえ商品サービスに差別化がなくても、営業マンの人間性が受け入れられて購入に至るケースもあります。
ここが難しいところです。
ここが得意な営業マンはすんなり社長の懐に入っていくのですが、苦手な営業マンは社長からも敬遠されてしまいます。
人と人とのフィーリングも、検討材料になりうるのです。
営業マンもある意味、人材です。

さて、BtoBとBtoCにおける購入の動機と判断基準に違いについて大雑把に分解してみた訳ですが、BtoBの中でも更に違いがあり、またBtoCの中でも更に違いがあります。
巷に出回るマーケティング手法をただ用いれば有効という訳ではなく、どこか向けマーケティング手法が、こちらのビジネスにマッチしているとは限らない、ということをここで言いたかったのです。

まずは自社の特徴を研究して、自社にマッチするマーケティング手法を用いていただきたいと思っております。

「あのマーケティングは使えない!」
の”使えない”は、”ウチには使えない”であって、別の会社では有効なのかもしれない、ということです。

マーケティング・セミナー開催

マーケティング内製化プロデューサー
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豊田マーケティング事務所
豊田栄康(トヨダヨシヤス)
http://www.toyoda.marketing
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マーケティングに取り組む時期

多くの企業と接していて思うのは、マーケティングを取り入れている会社は成長している、ということです。

マーケティングの活用によって成長している会社もあれば、成長によってヒト・カネ・戦略に余裕が出てきたのでマーケティングを取り入れている会社もあります。
逆に、マーケティングを取り入れてない会社は、従来通りの営業の個人の力量に頼った売り上げを為している。
しかし、昨今のWebマーケティング等の市場戦略の手法や、ニーズの多様化等の動きにより、従来の力押しタイプの営業スタイルを用いている会社は息切れしているように感じます。
大手企業も営業戦略の変更を余儀なくされ、日経新聞等でも”大手の苦難”として度々取り上げられています。

従来、企業がどの時期にマーケティングを取り入れて来たか、企業の成長と新規開拓との関係として図にしてみました。

新規顧客獲得の手段

創業時:社長の知人への営業
営業を採用・営業力強化:営業の個人力で新規開拓
新成長期または営業行き詰まり期:マーケティングによる新規開拓・新規事業

実際、私の主催するマーケティングセミナーに参加していただくマーケティングに関心のある企業は、規模が大きいところ、急成長しているところが多いのです。
そしてそれは、経営者も、社員も、マーケティングに関心を示している、もしくは従事しているのです。
逆に、中小企業の、マーケティングに関心のない企業は、経営者も社員も集まってきません。
この、”マーケティングに関心のない企業”こそはマーケティングに取り組んで欲しいところなのですが。

経営者がマーケティングに興味を持たないので、社員も消極的にならざるを得ない。
そんな光景が、これまでの多くの転職経験から見えてしまいます。
私もサラリーマンだった時はそうでしたから。
出る杭は打たれる、というやつで。

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BtoBとBtoCのマーケティングの違い、Part1

私の事業は、BtoBのマーケティングがメインです。
会社員時代はすべてBtoB営業、様々な業界を経験してきましたので、BtoBは結構得意です。

しかしBtoCは感覚が違います。

BtoBとBtoCのマーケティングをごっちゃにする人がいます。
そのため、BtoCマーケティングの手法をそのままBtoBに取り入れても上手くいきません。
「基本は一緒だ」などと言う方がいますが、その方の狭い経験の中で、たまたま上手くいっただけの話。

営業でも、BtoBとBtoCは違います。

営業マン時代には営業の後輩を育てきましたし、採用も担当してきたのですが、BtoC系の営業マンはBtoB系では使い物にならないのです。
感覚が違うのです。

それは何故か?

お客様が購入するメカニズムが異なるからです。

そこで、営業ならびにマーケティングにおけるBtoBとBtoCの違いについて、考えてみたいと思います。
私の頭の中を整理するついでに。

BtoCにおける営業アプローチ

BtoC(Business to Consumer):企業対個人取引
お客様は個人ユーザーです。
営業ならびにマーケティング担当者は、個人ユーザーに対して働きかけを行います。
個人ユーザーは、本人が欲しいを思った商品サービスを購入できる権限があります。
1個人でアプローチからクロージングまで持っていくことが出来ます。

BtoCにおける営業アプローチ_背後に奥様あり

ただし、高額商品を旦那さんに売り込む場合は、背後に奥様がいることを懸念しなければなりません。
財布のひもを握っているのは、商品サービスへの理解度が無い奥様だったりします。
マーケティング的には、奥様への説得材料も必要になる訳です。

BtoBにおける営業アプローチ

BtoB(Business to Business) :企業対企業取引
お客様は企業という集団です。
営業ならびにマーケティング担当者はまず、商品サービスに対して理解を示す担当者に対して働きかけを行います。
購買担当や研究開発担当、業務の分かる担当、などです。
客先担当者は商品サービスを欲しいを思っても、購入権限が小さいのです。
そのため、高額商品は会社に稟議書を上げて購入の申請をしなければなりません。
稟議書の流れは、
担当者→上長→総務部長または社長
こんな感じです。
上に行くほど、商品サービスへの理解度が小さくなります。
つまり、承認してくれない可能性が高いのです。
そのため、マーケティング的には、総務部長や社長に向けての説得材料も用意する必要があるのです。

他社との差別化が少ない商品サービスの場合は、決裁権の大きい社長にアプローチをかけるのが近道です。
複合機の会社が営業マンに経営者にアポ取りさせるのは、こういった理由です。

ただし、基幹システムや業務に携わる商品サービスを直接経営者に売り込む場合は気を付けなければなりません。
トップダウンで導入しても、実務担当者の実情と意見を無視した商品サービスによる業務改善は、社員の反発と業務の停滞を招くことになります。
社員からの「使えない」の声が大きくなれば、経営者としても黙ってはおれず、購入元の会社に対してクレームが付きます。

「売上げを上げるけどクレームばかり」

こんな営業マンはいませんか?
お客様の実際のニーズとミスマッチしているのかもしれません。

この枠に当てはまらないケースも当然ありますし、重複しているケースもあります。
会社の業界・商品サービスの形態は十人十色なので、自分の会社がどんな形態なのか、自社研究が必要です。
それは、経営者にとっても、営業にとっても、マーケティング担当者にとっても、仕事を進める上で必要なことです。
自社の形態が分かっていないと、間違った営業、間違ったマーケティング手法をやっていることになりますので。

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BtoBにおけるファーストコンタクトのためのリスト作り

BtoBにおけるファーストコンタクトのためのリスト作り

営業が新規開拓する上で、いくつかの段階で活動を行います。
業種業態にもよりますが一般には、

アプローチ→ヒアリング→プレゼン→クロージング

という流れになります。
ところが私の経験上、営業マンが一番困っているのは、アプローチの前の段階、リスト作成なのではないでしょうか?
営業で最初に躓くところです。
テレアポの「成功する話し方」ノウハウ以前の話です。

私の営業転職歴では同じ業界がありませんでした。
そのため、前の会社で通用した業界リストが使えないため、リストを一から作り直さなければならなかったのです。
ちなみに全てBtoBです。
転職するたびに毎回、ココに時間を取られてしまいました。

この会社がターゲットとする業種・業態・層はどこなのか?
社内で情報共有がなかったため、他の営業マンの担当する顧客を盗み見て、近しいところからアタック。
ところが既存顧客のライバル会社にアタックかけると不味いケースもあります。
このあたりも情報共有がないため、分からないのです。
前もって言ってくれればいいのに、と毎回愚痴る羽目になりました。
テレマーケティング部隊のある営業マンには、この苦労は分からないかもしれません。

さて、私が苦労した、BtoBにおけるファーストコンタクトのためのリスト作りを図式化してみました。
業種業態によっては追加削除が必要です。

・既知のリスト→友人/知人/SNS、前職の顧客、休眠顧客、各営業マンの名刺
・集まってくるリスト→交流会名刺交換、展示会、セミナー、お問い合わせ、資料ダウンロードサービス(カタログ/ホワイトペーパー)
・外部データのリスト→経審等からのデータ購入、ターゲット企業を個別にネットで検索、業界/協会/団体加盟者、電話帳(イエローページ)、販売店/協業相手からの顧客リスト

ファーストコンタクトとは、テレアポ・飛び込み・訪問といった営業サイドの最初の接触のみならず、DMなどのマーケティング担当者サイドの活動も指します。

リスト作りには営業のみならず、マーケティング担当者が大いにかかわる必要があります。
Web等で仕組み化することで、リスト作りは楽になります。
そして、リストが出来れば営業活動は大変スムーズに行うことが出来ることでしょう。

最近では、リスト作りを自動化するマーケティングオートメーションが市場を賑わせています。
私の初めてのリスト作りは、電話帳(イエローページ)からでした。
今はそんな時代ではない。
古いやり方はどんどん切り替わっていかなければなりません。

昨日の東京都議会議員選挙の結果を見ていて、そんなことを思いました。

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マーケティング担当者はデスクトップセールスマン

デスクトップセールスマン

会社でマーケティングの担当を任命されて、何したらいいのか?と迷ったならば、自分を営業マンと考えると良いです。

自社の営業マンを販売代理店と想定して営業活動してみましょう。
販売代理店が販売してくれるためには何をしたら良いのでしょう?
営業が大好きな接待だけでは売り上げは上がりません。

販売代理店が顧客に商品サービスを案内するためのパンフレットや提案書が必要です。
販売代理店が様々なケースに出会えるように事例集などあったらいいですね。
販売代理店が顧客に説明するための教育として、勉強会をやるのも良いでしょう。
カスタマイズ商品の場合、価格がまちまちです。
目安になる見積もりサンプルも複数用意しましょう。
販売代理店が営業をかけるためにリストも必要です。
展示会に出展して集客するのも手です。

上に挙げたものを制作するには、元となる情報も収集しなければなりません。
販売代理店(自社の営業マン)にヒアリングしましょう。
仕入れ先・製造元(自社の製造サービス部門)にもヒアリングしましょう。

マーケティング担当者は、営業マンのような客先訪問が主な仕事ではありませんが、営業マンと同様に営業活動をするのが仕事です。
机上探偵ならぬ、机上営業(デスクトップセールスマン)といったところでしょうか。

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