失注案件も事例紹介に

案件管理表

ソリューション営業はお客様の課題を解決する事でビジネスが成り立っています。
そのほとんどが半カスタマイズやフルカスタム・受託生産と、なんらかの形を変えて提供するものです。
場合によってはテンプレート(課題別フォーマット)に当てはめることで課題を解決できることもあります。

ソリューションものは固定商品ではないので、PR文句・キャッチコピーに頭を悩ませます。
「何でもできます!」はキャッチでもなんでもありません。馬鹿にされます。
マーケティング担当者としては、どれだけの種類の顧客の課題に対応できるかを見せることが、自分たちの課題であると言えます。
課題を解決する手段を見せるのには、事例紹介が適しています。

さてここで紹介する事例、すべてが自社の実績で挙げられれば良いのですが、実績の種類がそれほど多くないと挙げにくいものです。
そこで、実績だけでなく、想定事例(空想)と、失注案件も含めると良いです。
失注案件・成約しなかった案件は営業部で反省会をやって終わりではなく、情報として記録しておきましょう。
・何故その案件が発生したのか?
・顧客の課題は何だったのか?
・それを解決する手段は?
これも想定しうる事例です。

こうして収集した事例はテンプレートとして、顧客への提案にも使えますし、営業社員・間接部門への教育にも使えます。

情報は各営業が持っています。
失注なので隠してしまう営業もいますが、引っ張り出してきましょう。
マーケティング担当者は常に営業の動向にアンテナを張っておくことです。
営業の案件管理表や見積書管理表なども使えますので、時々チェックしておきましょう。
おそらく社長あたりは失注案件も把握していると思いますので、うまく連携すると良いです。

失注であっても企業情報をべらべらしゃべってしまうと会社の信用問題にもなります。
事例紹介の際には、顧客情報・相談内容を隠して元ネタが分からないようにアレンジに気を配る必要があります。

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水増した数字って必要ですか

アクセス数の内訳

広告宣伝には数字で表現すると効果的です。
しかし水増ししてまで数字を作るのはどうかと思います。
「みんなやってるから」を見せるための裏工作。
自分のセミナーに知人を呼んで参加者を水増し。
メルマガ登録者数やFacebookいいね数を知人に頼んで水増し。
無料お試しユーザーも含めて契約件数を水増し。
実績数を直接関係ないものまで含めて水増し。

例えば私が、「当事務所は1000社の企業とのヒアリングで…」と言った場合、確かにサラリーマン時代を含めるとそれ以上の企業と話をしていますのでウソではないのです。
ですが、そこまで水増した数字って必要でしょうか?

個人向けビジネスなら口コミ数で売り上げが左右されますが、BtoBではあまり関係ありません。
重要なのは、自分の商品サービスと相手の業務の課題とがマッチするかどうかです。
例え実績が1件でも、困っている顧客の求める課題解決の手段がそれしかなければ採用されるはずです。
数字の水増しに一生懸命になるよりも、もっと大事なことに注力すべきでしょう。
マーケティング的数字を顧客はそれほど信頼していません。

タレントが業者からFacebookやTwitterの大量のいいね!を買ってるのも、マーケティングの手法のひとつと考えられています。
私はマーケティングの専門家なので、そうと気付いてしまいがっかりします。
騙された!と。

BtoBであるのであれば、無理に数字を偽らなくても正直で良いと思っています。
誠実さが信頼となる場合もあります。
ウソはばれるもの。ばれた時のリスクをお考え下さい。
私自身は、仕事は誠実であることを方針としております。

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マーケティング担当者は社内記者

マーケティング担当者は社内記者

営業マン時代にいくつかの営業手法・営業ツールを生み出してきました。
同僚営業や上長にもそのノウハウや私の顧客から見聞きした情報を伝え共有しようとしました。
新人さんは理解して協調してくれましたが、旧来の営業マンとは上手くいきませんでした。
営業は個の生き物で、同等またはそれ以下と相容れない、敵対心・競争心・ライバル心のような感情があるように思えました。

営業マン時代に出来なかった社内の情報共有化ですが、転職してマーケティング担当者にクラスチェンジすると、その仕組み作りをやれる立場になりました。
これは自分にとって、やりたかった事を試せるチャンスであり、経験を積めるチャンスでした。

さて、”社内の情報共有化”と簡単に言っていますが、簡単ではありません。

「情報を全社員宛にメールで発信し合いましょう」
「情報をグループウェアに挙げてください」
「情報を掲示板に…」
「なんでもいいから情報を出して…」

そんな号令をかけても、動くのは一部の人だけ。
取り組みの多くは時間の経過とともに消滅してしまいました。
社内には様々な派閥・利権争い、唯我独尊、そして無気力者が存在するからです。

営業は、自分の売り上げ・自分の顧客が優先、他の営業が情報秘匿するので自分が公開しては損、という感情があります。
また、内勤スタッフや工場勤務の人は、営業と仲が悪いため、わざわざ営業のために情報提供などと思っていません。

情報共有の取り組みは、最初の一歩から躓いている状況です。
これは多くの会社で見られる光景です。

ではどうすればよいのか?
ここで私のやってきたやり方であり、私のコンサルティングでも指導している手法を記します。

マーケティング担当者は社内記者

マーケティング担当者が中心となって取り組んでいきます。
マーケティング担当者は、進行中の案件や過去の実績など気になった案件について営業からヒアリングします。
社内新聞社の記者になったつもりで。
ですので、常に営業の動向に気を配っていなければなりません。
他にも、工場でやっている品質向上・安全への取り組み、クレーム報告書の統計など、営業以外の部署からの聞き取りも良いです。
取りまとめてレポート形式にし、社員が見られるよう公開します。
これらのレポートは会社の生の実態なので、人材募集の会社案内にも使えます。

社内新聞社として情報を公開し続けると、社内からも理解が得られ情報収集に協力的になってきます。
情報が回り始めれば、情報共有化の取り組みは半分成功です。
徐々に各自が自発的に情報を発信するようになります。

実はこの取り組みは、マーケティング担当者自身のためでもあるのです。
マーケティングでは様々なものを制作します。
Webのコンテンツ、広告、提案書、展示会の見せ物などの情報発信に。
セールスコピーや概要説明等のテキスト、イメージ写真や図説イラスト、解説動画などの元ネタ。
そのネタをどうするのか、担当者は頭を悩ませているのではないでしょうか?
日頃から情報を集めていると、コンテンツのネタに困らなくなります。

マーケティング担当者の行う情報共有の取り組みは、
表向きは、社内の情報共有化、
真の目的は、コンテンツのネタ集め、
なのです。

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マーケティングとは総合的営業活動

マーケティングとは総合的営業活動

”マーケティング”というと、IT用語満載でカタカナ表記の難しい理論ばかりで、「どうにもウチの仕事に結びつかない」と言う方もいらっしゃると思います。
マーケティングをやった方がいいのは分かっている。
でも漠然としていて何だか分からない。

であれば、”マーケティング”を難しく考えず、まずは”営業”の拡大解釈としてみてはいかがでしょうか?
”マーケティング担当者の仕事”と考えると、もう少し具体的なイメージが出来ると思います。

”営業”の仕事は、顧客に接して販売に結びつけること。
対して”マーケティング担当者”の仕事とは、
①顧客開拓(そのための商品企画も含む)
②営業支援(そのための企画制作)
総じて、売れる仕組みを作ることを目的とした活動、となります。
ちなみに、私のマーケティング担当者時代の業務はこんな感じになります。

<マーケティング担当者の仕事一覧>
・ホームページの制作・運営/SEO対策
・ブログ・SNSの編集・運営
・カタログ・パンフレットの企画・制作
・ダイレクトメールの企画・制作
・広告の企画・制作
・展示会の企画・運営/プレゼンテーション・勉強会の運営
・プレゼン資料・提案書の作成
・顧客管理/問い合わせの窓口・管理
・販促グッズの企画・制作
・マーケティングリサーチ・取材/顧客満足度調査
・営業

マーケティング担当者の4つの工程

会社によってはもっと別の仕事があるかもしれませんが、おおよそ企画・情報収集・制作・情報発信の4つに分かれます。
実はマーケティング担当者のやってることは、”総合的営業活動”といえます。

顧客への直接的行為は営業が、間接的あるいは撒き餌的活動がマーケティング担当者の仕事。
いきなりマーケティング理論をかじるよりも、営業活動を拡大解釈した方がマーケティングを導入しやすくなります。
総合的営業活動を行いながら、部分部分にマーケティング理論を取り入れた方が業務になじみやすくなります。

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マーケティング担当者がエンドユーザーの市場開拓

マーケティング担当者がエンドユーザーの市場開拓

販売店代理店が売ってくれていた、完成品製造メーカーが開拓してくれていた、待っていれば仕事が降ってきた。
顧客が市場開拓をしてくれていた時代は中小企業にとってはマーケティングなんて必要ありませんでした。
顧客にくっ付いていれば仕事が来たからです。
しかし今は顧客も市場開拓に苦しんでいる時代。
中小企業も自前で市場を開拓しなければならなくなりました。

新たな市場の開拓、エンドユーザーの開拓は誰がやるのか?

営業は自分の担当している顧客で精いっぱい。
未来よりも目の前の売り上げの方が大事です。
それも直接取り引きしてくれる顧客を、であってエンドユーザーではありません。
多くの中小企業では、社長自らが新規市場開拓を担当しているのではないでしょうか?
加えて経営業もこなさなければなりません。
社長だけがいつも忙しい…

新規市場開拓の担当は、会社全体を俯瞰する立場であるのが望ましい。
自分のノルマを抱えている営業担当では荷が重すぎるのです。
担当顧客に縛られず、営業ノルマから切り離され、自由な発想を実行できる環境があり、そして社長の方針に取り組むための専門の部署を設けるのが最良です。

経営戦略室・経営企画室・営業推進室・秘書室・マーケティング室・商品企画室・・・
企業によって様々な名称があります。

新規市場・新規顧客がベースに乗ったら営業に譲り渡す。
それまでは専門部署が担当する。
新規市場開拓・エンドユーザーの市場開拓は、既存の営業部門から切り離して活動すべきです。

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